最低限のリテラシー

僕はこと株に関してはプロ意識を持っているつもりなんで、金融リテラシーのない人間をはめ込んでいる証券会社の営業などに関しては正直言って嫌悪感を感じているのね。でも、その一方で簡単に楽して儲けたいと白昼夢を見ている金融リテラシーのない人間にも正直言うと嫌悪感を持っているわけです。

いわばこの両者の関係って鳥獣戯画の一幕みたいなもんなわけで、遠くで眺めていれば良いわけだけども、そそかっしい僕なんかはときどき近づいては毒を吐いてみたりしているわけです。でも基本ギャグテイストでディスってるつもりだし、悪意はないんだけども、いろんな誤解も引き受けざるを得ないのは仕方ないことなのかなとも思っています。さて本題。

やっぱね、対面証券会社ってやってることがフェアじゃない気がするんだよね。あらゆる商売は様々な差異を利用した鞘取りが利益を生むものだと思うのだけども、対面証券会社はそういう意味では鞘を取りすぎている気がする。これに関しては僕は昔からアイディアがあって、

①営業が勧めた商品を購入して損を出した場合、手数料を全額返金する。
②その場合、全部塩漬けして損失を出させない可能性があるので、顧客に許容期間と許容損失を最初に決定させておく。
③もし利益が上がった場合、これまでの二倍の手数料を取る。

この3つを実行するだけで、見違えるようにフェアになると思うんだけどもね。これなら本当に能力のある営業がキチンと評価されるようになるだろうし、客をはめ込むペテン営業は一切できなくなっちゃうから安心して株の売買ができると思うんだよね。でもまぁ、こんな公正なルールを持ち込んだりしちゃったら、手数料収入は壊滅するだろうけどもね。

そしてもう一方の営業の言いなりになって株の売買をしている金融リテラシーのない人たちに関してだけども、やっぱり最低限自分で知識を持たなきゃ駄目だと思う。無知で強欲な人間が足下を掬われるのは自明のことなんだよ。じゃあどうやって金融リテラシーを涵養すればいいかって話になるわけだけども、橘玲先生の著作をとりあえず全部読めば良いと思う。どれか一冊を挙げろとか生ぬるいこと言わないで欲しい。全部読め。同じことを繰り返し書かれていることがあるんだけども、それは重要だからこそ繰り返してるんだから全部読んだらいい。これを読めば無闇に生命保険に入ることや、無闇に住宅をローンで買うことや、無闇に日本株の投資信託を買うことの経済合理性の無さが非常によくわかると思う。あのね、必死に働いて作ったお金を上の3つで無残に吸い取られてる人間が世の中にはあまりに多すぎるの。

あと株式投資に関してだけども、兼業で株の売買をするのであれば、時間を味方につける売買をしなければいけないと思う。兼業の人間が専業の人間よりも株の売買において優位性を持つのはこの一点だけじゃないかな。専業の人間は時間さえも敵なので、待つことができないんだよ。兼業の人間は本業でお金をしっかり貯めながら機をじっくりと待てば良いと思う。

その機はどうやって見分けるかなんだけれども、僕がよくオフ会で披露する手法の一つに古館投資法ってのがあるのね。古舘伊知郎っているでしょ。報道ステーションのキャスターやってるメガネね。あの古舘がその日の第一ニュースで「株価の下落が止まりません!!!」って言い出したら株を買い出すってものなの。すっごい簡単でしょ。なんじゃそりゃと思うかも知れないけれども、株価の下落が止まらないことがその日もっとも大きなニュースであるということは歴とした異常なことだから、そこから買い下がって相場が平常化するのを待てばリスクとリターンは十分兼ね合いが取れると思う。もっと言えばそういうときに株以外にも、コール条項がついてない転換社債で潰れないであろう会社を選んで買ったりしてみてもおもしろいと思うんだけれども、このあたりのことはやっぱ自分で勉強しなきゃいけない。でなきゃどこかで騙されちゃって振り出しに戻ってしまうから。

とまぁ、いろいろ書きましたが、一番言いたいことは相場を張る前に最低限のリテラシーを持つことの重要性です。近道なんてどこにもないので、楽したいという人は相場で儲けることを諦めるということも選択肢の中から外さないことです。