「夕刊フジ」2008 年 1 月 25 日付
-
今回ほどの下げ相場の場合、一日中チャートを見る時間がない限り、「損切り」を恐れずに現金で持った方がよいでしょうね。
僕の売買の判断はすべて、これまでの経験に基づいた感覚。
アメリカやヨーロッパ、アジア株の動きに加え、為替や先物、雇用統計などの重要指標を常にチェックしながら、総合的に判断しています。
手本にしていただく手法なんて、本当にないんです。
-
今が底かどうかは分からないし、知る必要もないですね。
分析しようとも思わない。
-
21 日の時点で保有する全株を売り注文して、翌朝までに現金化しました。
いったんノーポジションにしたうえで、寄付と同時に東証 1 部の大型株 50 - 60 銘柄を約 100 億円分買い進めた結果、終値では約 1 億 5000 万円の含み損になりました。
ですから、今日の利益を差し引きすれば、プラス 4 億円ですか。
-
自分は株取引がうまいと思ってないし、他人の金の運用はしたくない。
-
日経先物相場は利用価値の高い指標です。
ただし、(夕場は)時間的にアメリカ市場が開く前の指標で、あくまでも参考ということです。
-
その時の地合の見極めが重要で、今回のキツイ下げに直面したからといって、25 日移動平均線との乖離率だけで逆張りしてもダメ。
もともと高難度ですし、上げ相場の順張り同様、多くの値動きを 1 日中見て、体得するしかないんです。
-
相場に自分の思いは一切通用しません。
「ここまで儲けたいから、これだけ買う」という考え方は必ず失敗します。
厳しい相場では、一番難しいけど、一番大切なのが「売り時」。
これが分からないから、傷口を広げてしまう。