「週刊東洋経済」2009 年 1 月 17 日号

  • リーマンショックで大荒れした 10 月以降も、損を出すことなく乗り切れた。
    ただ、あれは 10 回やったら 7 ~ 8 回は損する相場。
    今回はたまたま売り抜けたけれど、運がよかっただけです。
  • 現在の資産は、秋葉原駅前の商業ビル(90 億円で昨年秋購入)も含め、220 億円ぐらい。
    株式投資は大型株中心に 50 ~ 100 銘柄程度。
    レバレッジをやるのは精神的にきついので、現物株が中心です。
    ただ、株の短期売買を一人でやるのは、100 億~ 150 億円が限界。
    不動産を買ったのはその意味もあります。
  • 株式投資のスタートは 21 歳だった 00 年 3 月ごろ、アルバイトで貯めた資金など 164 万円が元手です。
    当時は短期のトレーダーが少なく、株式投資について学ぼうとしても長期投資の本しかない。
    投資ノウハウはすべて独学、手探りでした。
  • 当初 3 年は厳しい下げ相場が続いたものの、あの時期に始めたことで、損切りの重要性を学べたことが大きかった。
    上げ相場に転じた 03 ~ 05 年から始めた人は、最初は儲かってもその後苦労していると思います。
  • でかい金額を運用しているプレッシャーはきついですよ。
    株価が 1 ~ 2 % しか動かなくても、1 億~ 2 億円の損が出てしまう。
    100 万円の投資なら 5 万~ 6 万円損してもバイトで取り戻せるけれど、1 億円の損は精神的にきついし、気分転換は難しい。
    夜も眠れない。
    といって、「明日取り返してやる」は禁物。
    はやる気持ちを抑えて次のチャンスを待ち続けるしかありません。
    それはつらいですよ。
    避けるコツはただ一つ、損をしないことに尽きます。
    損すると、坂を転げ落ちるように、どんどん深みにはまってしまいますから。
  • 資産があるのだから、投資がストレスならやめたら、とも言われるけれど、自分の性格ではやめても平穏にはなれない。
    たとえば、相場のニュースを見ても「自分ならこれで 2 億~ 3 億円は儲けられたな」と感覚でわかる。
    投資をやめたらニュースを見るたびに儲け損ねた気持ちになるでしょう。
    将来のことはわからないけれど、大損するまでは株式投資を続けることになりそうです。