崩壊

本日付の各新聞には、震災復興のための第1次補正予算に関する記事が掲載されています。与党民主党は、復興資金に、基礎年金の補填に充てるはずの2兆5千億円を転用しようというもので、自民と公明は反対しています。この2兆5千億円は、保険料と税金での負担を半々にするために、現在の3分の1の税金分との差額となっています。しかし、民主党のやろうとしていることは、非常に危険です。自ら、年金崩壊への道にアクセルを踏むようなものです。保険料が足りなくて、税金も足りないとなると年金を支払うために、今まで積み立てられている資金を取り崩しことになります。この資金は、現在、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)で国民年金、厚生年金保険合わせて運用しています。その資産額は、2010年3月末で123兆円でした。四半期ごとに運用状況が開示されていますが、直近の2010年12月末の資産額は、116兆円となっています。あれ?7兆円減っています。うち、運用収益は、マイナス1兆円でしたので、差し引きすると、約6兆円の資産が払いだされたことになります。残り3ヶ月を加味すると、今年度は6兆円以上の資産が取り崩されているかもしれません。これは、高齢化社会の進行で、年金支払い額が増えていますし、消えた年金問題で、本来支払うべき年金額も増えてしまったことが影響していると思います。これに、単純に先程の2兆5千億円を足すと、来年度は10兆円ぐらいの資金取り崩しがあるかもしれません。仮に、運用が上手くいかず、せいぜい、今後1%ぐらいの運用収益しかなく、毎年10兆円の取り崩しがあったとすると、12年後ぐらいに資産はゼロになってしまいます。これは、大変なことです。資産がなくなると、保険料と税金で自転車操業しないと年金が払えなくなります。12年後というのが、極端なケースとしても、それに近いような危機が早晩来ると考えます。すなわち、年金崩壊の危機です。日本は、震災問題もありますが、将来に向けて非常に厳しい局面を迎えています。民主党政権で、この危機を乗り越えられるとは思えないですが。恐ろしいです。