「日経金融新聞」2007 年 1 月 15 日付

  • 昨年暮れ、空前の大商いで相場を引っ張った新日本製鉄株。
    「鉄の舞い」の陰にひとりの個人が躍っていた。
    みずほ証券のジェイコム株誤発注で二十億円を稼いだ B・N・F さん (28) だ。
    買い注文は三百万株(二十億円)に達するときもあった。
    インパクトはヘッジファンド級だ。
  • B・N・F さんの昨年の利益は約五十億円。
    運用資産は百五十億円を超えた。
    高層マンションの一室にディーリングルームを構え、大型株を中心に売買している。
    住友金属工業、神戸製鋼所など鉄鋼株の取引が多いという。
  • 元野村投資顧問ファンドマネジャーの伊藤道臣さん (47) は昨年運用資産を二倍に増やした。
    通信会社に勤務しながら人気 WEB サイトを手掛ける夕凪さん (39) は四〇 % のリターンを得た。
    ちなみに追加型日本株投信約六百五十本の昨年の運用成績は平均でマイナス二 %。
    運用のプロが苦戦を強いられる中で「すご腕」ぶりを見せつけた。
  • 株名人の共通点は研究熱心なこと。
    盛学志さん (32) の狙いは低 PBR 銘柄だが、手あかのついていない「薄商い」も条件にさらにふるいをかける。
    B・N・F さんも深夜ニ時まで米国株をチェックする。
    「わいてでてきたような個人は(ライブドアの)いかがわしい話にだまされ深傷を負った。相場をきちんと勉強した個人が相場とつきあえる」(木村喜由・日本個人投資家協会理事)。