「週刊朝日」2008 年 11 月 14 日号

  • 昨年中ごろまで上げ相場だった日経平均が今年はずっと下げ続けているので、上げ相場のときとは違って今は「逆張り」が中心。
    ドンと下がったところに買いを入れて反発するのを待ってます。
    でも、9 月に入ってからは値動きが尋常じゃない。
    以前は「買い」だった大幅下げでも、そこからさらに下がってくるケースが目立つ。
    今まで経験したことのないような相場で、まったく油断できません。
  • 何パーセントで利益を確定するとか、損切りするとか、そういうルールは特にありません。
    あくまで相場の雰囲気、空気を見ながら判断しています。
    大事なことは欲を出さないこと、それと絶対に無理はしないってことでしょうか。
  • 値動きだけを見るわけではなく、円高による業界への影響とか、個別の前提は頭に入れてるつもりです。
    それと、米連邦公開市場委員会や日銀の金利にかかわる会議とか、11 月 15 日の金融サミットとか、経済に密接したイベントの日程も意識してますよ。
  • (10 月も)かなり儲かってますよ。
  • 株価が急落して、10 月 28 日午前に 7100 円前後になったところで一気に買った。
    60 億円ちょっとかな。
    電機、銀行、商社、自動車……と何でも買ってますね(笑)。
    7000 円を割り込んでから 1 億円以上の含み損が出てヒヤヒヤしたけど、最長で 11 月 4 日の米大統領選まで持つつもりでした。
    政権交代への期待で多少の値上がりがあるかと思って。
    でも、28 日午後に急反発し、29 日に 8200 円前後になったところで 90 銘柄ほどあったのをぜんぶ売った。
    ひと晩で 12 億円の儲けが出た計算です。
    もう少し待てばもっと儲かったけど、腹八分目ってことでちょうどよかったのかな。
  • 9 月に米国株を始めて、リーマン株が暴落したときについ手が出て 7 億円ほど買った。
    そしたら 2 日後に倒産……そのまま紙くずになった。
    他の取引で最後は数億円の利益を出したけど、夜は眠れないし、為替リスクもあるし、手数料も高いので、米国株はもうやめた。
    日経平均が千円以上の下げを記録したとき(10 月 10 日)には 5 億円の損が出た。
    ま、そのぐらいの損切りでよく済んだなと思います。
    損切りした次の日に何百円も下がったとか、そういうのが 2 度くらいあったから。
    値下げ幅が大きくて損切りしづらい状況だけど、いつか上がるという希望的観測は絶対にダメ。
    危ないと思ったらすぐ損切りする。
    数分でも判断が遅ければ 1 億円が吹っ飛ぶことも少なくないから。
    損切りをして次のチャンスを狙うほうがいい。
    いや、損切りしたあとに予想が外れて反発しちゃうことも多いんだけど、今回は運が良かったですよ。
  • (秋葉原駅前のほぼ新築のビルを 90 億円で一棟買いしたのは)転売とか賃料収入とかに期待してるわけじゃなく、あくまで資産の分散が目的なんです。
    現金が 200 億円あると、僕は全部使っちゃうから。
    でも、いざ株を売り買いするときに 200 億円を取引するのは時間がかかっちゃってリスクが大きい。
    100 億くらいが限界かなと思ってて、動かせない資産をつくろうと思ってビルを買ったんです。
  • 人付き合いもしないし、外にも出かけない。
    自分のペースを乱されるのが嫌で、人とご飯も食べてない。
    不動産の購入手続きで出かけたくらいで、休日もずっと家で過ごす。
    もともと引きこもりがちだったし。
    株をやめたら、本当に何もほかにすることがないんですよ。
    毎日が「休日」じゃ、ありがたくないしね。
    大損したらやめようとも思ってます。
    リーマンで 7 億円を損したときにやめてもよかった。
    でも、また取り戻しちゃったから……。
  • (恋人の有無は)ノーコメント。